花粉症によりよく効く治療

期待したほど薬が効かない。あってはいけない事ですが、よくあります。よく効くお薬をくださいと言われますが、どの種類の薬が良いのかは個人差があって、選択肢も少なくありません。ではどのように薬を選択していくのでしょう??

抗ヒスタミン薬

まずは口から飲む内服薬のうち代表的な抗ヒスタミン薬です。使い勝手が良いので、希望される方が多いです。何種類か飲みたいと希望される方もおられます。果たして1+1は2になるのでしょうか?
残念ながらなりませんし、保険が支払われないため、保健医療では継続が難しい治療です。
同一薬剤なら倍量投与できるのでしょうか?保険で認められている治療として、重症例に対するルパフィン®(ルパタジン)の倍量投与があります。しかし効果は限定的ですので使える条件が限られます。

ルパフィンの詳細はこちらをクリック。

下の表は症状を点数化して、治療前と治療後を比較したものです。

項目ルパフィン10mgルパフィン20mg
治療前の症状スコア9.57 9.76
治療開始2週目のスコア7.69 7.47
症状スコアの変化-1.862.29

どうでしょうか?その差 16点中の0.43ですので、思ったほど変わらないですよね。ですので、ルパフィンの倍量投与は重症例のみという但し書きがついています。また、ルパフィンを長期服用されている方に倍量投与すると効果があったという報告もありますので、状況に応じて投薬するのが良いと思います長期投与後に倍量投与した場合の症状変化

点鼻ステロイド

点鼻薬は敬遠される方の多い治療ですが、眠気の副作用がなく、効果もよいため、愛用者も多い治療です。(刺激になってくしゃみがでたり、鼻水が出るのが嫌いな方が多いですね。)
点鼻ステロイド薬のみ使われる方もおられますが、内服だけでは満足できる効果がなかった時に一緒に使われる方が多いです。

抗ロイコトリエン薬、抗PGD2・TXA2薬(バイナス®)

抗ロイコトリエン薬、抗PGD2・TXA2薬(バイナス®)の薬は鼻閉がつらい方に点鼻ステロイドとともに使われることが多いです。また眠気の副作用がほぼないため、抗ヒスタミン薬で眠気が出る方に使われていることもあります。

効果判定する時期

まず効果が弱いと感じた場合には連続して2週間ほどは使用する事です。どの薬でも連続使用する事で効果があがります。2日程度では、おおもとの花粉症が悪くなったのか、風邪をひいたのか、薬が効いていないのか分かりませんので、副作用なければ、まずは継続して飲んでいただくことが大事です。

まとめ

使用されることが多い花粉症の薬は、抗ヒスタミン薬、点鼻ステロイドで、その他はオプション的な扱われ方をすることが多く、ガイドラインでは軽症の場合は1種類、重症の場合は2種類以上、点鼻ステロイドが優先的に使われる事が推奨されています。
下に鼻アレルギー診療ガイドライン2024年版の花粉症治療の図表を分かりやすく簡略化・改変したものと原版を載せております。
参考になりましたら幸いです。

重症度初期療法・軽症中等症・重症・最重症
病型くしゃみ・鼻漏型鼻閉型または充全型
治療①抗ヒスタミン薬
②抗ロイコトリエン薬
③バイナス®
④鼻噴霧用ステロイド薬
点鼻ステロイド薬+ 抗ヒスタミン薬点鼻ステロイド薬+ 抗ロイコトリエン薬
または
バイナス®+ 抗ヒスタミン薬
もしくは
点鼻ステロイド薬+ ディレグラ®
上記効果なければ手術
アレルゲン免疫療法
抗原除去・回避
原版
重症度初期療法軽症中等症重症・最重症
病型くしゃみ・鼻漏型鼻閉型または充全型くしゃみ・鼻漏型鼻閉型または充全型
治療①第2世代抗ヒスタミン薬
②遊離抑制薬
③抗LTs薬
④抗PGD2・TXA2
⑤Th2サイトカイン阻害薬
⑥鼻噴霧用ステロイド薬
①第2世代抗ヒスタミン薬
②抗LTs薬
③抗PGD2・TXA2
④鼻噴霧用ステロイド薬
第2世代抗ヒスタミン薬
+ 鼻噴霧用ステロイド薬
抗LTs薬 または
抗PGD2・TXA2
+ 鼻噴霧用ステロイド薬
+ 第2世代抗ヒスタミン薬 もしくは 第2世代抗ヒスタミン薬・血管収縮薬配合剤*
+ 鼻噴霧用ステロイド薬
鼻噴霧用ステロイド薬
+ 第2世代抗ヒスタミン薬
鼻噴霧用ステロイド薬
+ 抗LTs薬 または
抗PGD2・TXA2
+ 第2世代抗ヒスタミン薬 もしくは 鼻噴霧用ステロイド薬
+ 第2世代抗ヒスタミン薬・血管収縮薬配合剤* 症状に応じて点鼻用血管収縮薬または経口ステロイド薬を併用***
点眼用抗ヒスタミン薬 または 遊離抑制薬抗IgE抗体**
点眼用抗ヒスタミン薬、遊離抑制薬
または ステロイド薬****
保存療法に抵抗する症例では手術
アレルゲン免疫療法
抗原除去・回避
  1. Okubo, Kimihiro, Takamasa Suzuki, Ayaka TanakaとHiroshi Aoki. 「Long-Term Safety and Efficacy of Rupatadine in Japanese Patients with Perennial Allergic Rhinitis: A 52-Week Open-Label Clinical Trial」. Journal of Drug Assessment 8, 号 1 (2019年): 104–14. https://doi.org/10.1080/21556660.2019.1614005.
  2. ルパフィンインタビューフォーム
  3. 鼻アレルギー診療ガイドライン2024年版
ボツ原稿

また抗ヒスタミン薬には分類があります。第1世代、初期第2世代、後期第2世代、他にも構造で分類することも可能で、使う時にも一工夫する事ができます。(されない先生がほとんどですが)

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